韓国の産後ケア市場や業界動向の調査結果【第1弾/産後ケアホテル】
産後ヘルパー株式会社の明です。
私は韓国で出産し、韓国の産後ケアホテルや訪問型産後サービスなどを受け、さらに韓国で産後管理士の資格を取り、2004年2月に日本で産後ヘルパー株式会社を設立いたしました。
日本でも産後ケアサービスは普及してきましたが、皆様ご存知の通り、産後ケアは日本よりも韓国の方が十数年進んでいます。
そこで私は現在の韓国の事情を知ることにより、今後日本が産後ケアにおいてどのように進歩していくのか、また弊社の産後ヘルパー訪問事業のサービスレベルをどのように向上していくかなどを研究するために、韓国の釜山で調査して参りましたので、この場で報告させていただきます。
まずは第一弾として、産後ケアホテル(宿泊施設)について調査いたしましたのでご報告いたします。なお、日本の産後ケアホテルや産後ケア施設のことを産後調理院と読んでいます。
1 韓国の産後産後調理院の動向(以下、産後ケアホテル)
まず初めに、産後ケア宿泊施設
韓国の保健福祉府によると産後調理院の数は2009年の418から2016年は612まで増え続けました。しかしその後2018年には584まで減少、直近の2023年6月には469となっています。一方、産後調理院の利用率は増加していますが、低出産率により利用人口は減っています。
【韓国の産後調理院の数】
ちなみに産後ケアホテル利用者も2016年18万9147人まで増加しましたが、2018年17万5004人に減少しました。
一方、産後ケアホテルの平均利用料金(2週間の一般室利用基準)は2017年241万ウォンから2022年307万ウォンに27.4%上昇しました(1ウオンは約0.11円 307万ウオンは、約34万円)。
なお、産後ケアホテルの利用率は増え続けています。 2021年保健福祉府と統計庁の産後調理実態調査の結果、2020年に出産した母親(3127人)の81.2%が産後ケアホテルを利用したことが分かりました。 2018年の75.1%に比べて6.1%ポイント増加したことになります。
費用負担が大きいことから、産後ケアホテルの利用に関して最も必要な政策に挙げられたのは、「費用支援(51.3%)」でした。
2 韓国の産後ケアホテルの利用料金
韓国の産後ケアホテルの利用料金は、高いところと低いところを比較すると、29倍の差があるとのことです。
利用料金が最も高価なのはソウル江南区にあるD産後調理院で、2週間の特室利用価格が3800万ウォン(約420万円)らしいです。一日あたり30万円です!
一方で、低価格なところは、1日あたり1万円ちょっとということになります。
ちなみに韓国国内の母親10人のうち6人は産後調理院を利用するとのことでした。
3 結論
産後ケアホテルの数と利用人口は減りましたが、利用率は増えたということが結論です。
利用率は出生児数に対する産後ケアホテルの利用人口のことです。 2013年の38.3%から年々増加し、2017年には50.8%に達しました。現在では60%を超えているといわれています。
【参考資料】中央日報、育児政策研究所、保健福祉府
4 今回訪問させていただいた釜山の産後ケアホテル
釜山では人気、品質ともにトップクラスの 産後ケアホテル「エリウム産後調理院 엘리움조리원」に訪問させていただきました。
中央は、代表取締役の「チョン・ウンジェ社長」、左は、「ユ・ジョヒ院長」です。
こちらは釜山の観光地「海雲台」の近くにあります。地下鉄の萇山駅(장산역)の地上に出て徒歩1分の好立地にあり、ビルの2フロアーが宿泊施設になっています。
保育室には赤ちゃんの一人ひとりにWebカメラが設置されていて、いつでもスマートフォンで我が子を確認することができます。部屋は25室あって、日本円で3万円からという料金設定です。ほとんどのママは2週間ここで過ごすそうです。費用は国の補助がありますので、自己負担は軽減されます。
現在、半年先まで予約でいっぱいとのことで、とても人気があることがわかります。
5 夜は釜山の街とお肉を堪能しました
釜山は日本と時差がありませんので、いつも通り夜になるとお腹が空きます。とくに今日はハードスケジュールでしたので、ランチのほか、夜はお肉を大量にいただきました!