第2子以降の産後、上の子はどうする?1,284件調査で見えた訪問型産後ケアの強み
第2子、第3子の出産を控えているママからよく聞かれるのが、「赤ちゃんより、むしろ上の子をどうしよう」という悩みです。
新生児のお世話だけなら、夫婦で何とかできるかもしれない。でも、保育園や幼稚園への送迎、上の子の食事、遊び相手、お風呂、洗濯、家族の食事……。そこへ産後のママ自身の休息も必要になります。
産後総合研究所(産後総研)が、産後ヘルパー株式会社の利用者1,284件を分析したところ、自宅訪問型産後ケアに「大満足」と回答した割合は、第1子家庭の66%に対して、第2子家庭では81%、第3子以上では83%でした。
この結果から見えてきたのが、赤ちゃんだけではなく、上の子を含めた「家族のいつもの生活」を守りながら産後を乗り切ることの大切さです。
もくじ
【この記事の要約】第2子以降では「上の子の日常をどう守るか」が重要です
産後総研が2014~2025年の産後ヘルパー株式会社の利用者アンケート1,284件を分析したところ、「大満足」の割合は第1子66%、第2子81%、第3子以上83%となり、子どもの人数との間に統計的な関連が確認されました。
研究では、上の子の通園・通学や食事、遊びなど、普段の生活を大きく変えずに支援を受けられる「生活の継続性」が、自宅訪問型産後ケアの特徴的な価値である可能性を指摘しています。
第2子以降の出産では、「赤ちゃんを誰が見るか」だけではなく、「家族全体の生活を誰が支えるか」まで妊娠中に考えておくことが重要です。

1 第2子の産後は「赤ちゃん+上の子」の生活が同時に始まります
初めての出産では、分からないことばかりです。
授乳はこれでいいのか。赤ちゃんはなぜ泣いているのか。沐浴はどうすればいいのか。
ところが、第2子以降になると別の難しさが加わります。
新生児のお世話をしながら、上の子の生活も続くからです。
たとえば、朝になれば保育園や幼稚園へ行く準備があります。帰宅すれば食事が必要です。「ママ、遊んで」「抱っこして」と甘えてくることもあります。
上の子にとっては、赤ちゃんが生まれたからといって、それまでの生活が突然なくなるわけではありません。
一方、ママは出産直後です。
身体を回復させなければならない時期に、新生児と上の子の両方のお世話をしようとすれば、負担が大きくなるのは自然なことです。
2 1,284件の調査で、第2子以降の「大満足」は8割を超えました
今回、産後総研が分析したのは、産後ヘルパー株式会社が2014年から2025年に実施した利用者アンケート1,284件です。
満足度を「大満足・満足・普通・やや不満・不満」の5段階で尋ね、その中でも最上位の「大満足」に注目して、利用者の属性との関係を分析しました。
子どもの人数別では、第1子家庭が66%、第2子家庭が81%、第3子以上が83%。
第2子、第3子になるほど「大満足」の割合が高くなり、この差には統計的な有意差が確認されています(p<0.001)。
もちろん、この結果だけから「第2子なら必ず訪問型がよい」とまでは言えません。
しかし、自由記述には、新生児と上の子のお世話を両立する難しさや、上の子の通園・通学、遊び相手などを産後ヘルパーがサポートしたことへの評価が多く見られました。
ここに、自宅へ来てもらう産後ケアならではの特徴が表れています。
3 自宅訪問型だから守れる「生活の継続性」
産後ケアには、大きく分けると宿泊型、デイサービス型、自宅訪問型などがあります。
それぞれに特徴があり、どの方法が合うかは家庭によって異なります。
ただし、第2子以降の家庭では、「ママと赤ちゃん」だけで産後の生活を考えることが難しくなります。
上の子の学校や保育園があります。パパの仕事があります。家族の食事があります。そして、住み慣れた家で続いている家族それぞれの生活があります。
自宅訪問型産後ケアでは、ママと赤ちゃんがどこかへ移動するのではなく、支援する側が家庭の中へ入ります。
そのため、ママが休んでいる間に赤ちゃんを見てもらうだけでなく、上の子のお世話や家族の食事づくり、洗濯や掃除など、その家で実際に発生している生活上の負担をサポートできます。
産後総研では、この日常のルーティンを大きく崩さずに専門的な支援を受けられることを「生活の継続性」と表現しています。
4 「上の子を置いていけない」は産後ケアを利用しにくい理由にもなっています

研究レポートでは、先行研究も検討しています。
そこでは、産後ケアを利用しなかった理由として「上の子供がいるため」が挙げられているほか、上の子の預け先や施設までの移動が、産後ケアを利用する際の障壁になっていることが紹介されています。
これは第2子以降の家庭にとって重要な問題です。
「産後ケアを利用したい。でも、その間、上の子を誰に預けるの?」
この問題が解決しなければ、ママを休ませるための産後ケアなのに、その産後ケアを利用するために別の準備が必要になってしまいます。
自宅訪問型なら、家族を分けるのではなく、家族が普段生活している場所そのものを支援の場所にできます。
これは、第2子以降の出産で特に大きな意味を持つと考えられます。
5 第1子でも訪問型産後ケアの役割はあります
今回の結果で注意したいのは、「訪問型産後ケアは第2子以降だけのもの」という意味ではないことです。
第1子家庭でも66%が「大満足」と回答しています。
初産では、上の子のお世話はありませんが、初めての授乳、沐浴、オムツ交換、赤ちゃんの抱き方など、育児そのものへの不安が大きくなります。
産後総研の研究レポートでは、初産婦には「専門家による伴走と安心感」、経産婦には「生活の継続性」と「家族のゆとり」、多胎児家庭には育児生活を維持するための支援というように、家庭の状況によって必要とされる価値が異なる可能性を指摘しています。
つまり、産後ケアは全員に同じことをするサービスではなく、その家庭が今、一番困っていることを減らすことが重要なのです。
6 双子・多胎家庭では「大満足」90%、ただし慎重な解釈が必要です
今回の分析では、多胎出産の家庭にも興味深い傾向がありました。
「大満足」と回答した割合は、単胎出産では69%、多胎出産では90%でした。
ただし、多胎出産の分析対象は10件と少なく、統計的な有意差は確認されていません(p=0.188)。そのため、「多胎家庭ほど満足度が高い」と一般化することはできません。
一方で、双子などの多胎育児では、授乳、オムツ交換、寝かしつけなども同時または連続して必要になります。
パパや祖父母だけで抱え込まず、妊娠中から外部支援を含めた体制を考えておく意味は大きいでしょう。

7 夫が協力的でも、産後ケアとは役割が違います
「夫が育休を取るから、産後ヘルパーまでは必要ないのでは?」
そう考えるご家庭もあるでしょう。
今回の研究では、夫のサポート度と「大満足」の割合との間には、統計的な有意差は確認されませんでした(p=0.773)。
自由記述を見ると、夫のサポートが少ない家庭では、産後ヘルパーがワンオペや孤立を防ぐ役割を担う一方、夫が協力的な家庭では、夫婦が産後ヘルパーから赤ちゃんのお世話を学ぶ機会として利用している傾向も見られました。
つまり、パパか産後ヘルパーかという「二者択一」ではありません。
パパは家族だからこそできることを担当し、産後ヘルパーは経験を生かしてママ・赤ちゃん・家事・上の子を支える。
それぞれの役割を組み合わせることで、家族全体の負担を減らすという考え方ができます。
8 産後ケアは「ママのぜいたく」ではありません
研究レポートで、もう一つ注目したいのが、産後ケアにお金を使うことへの心理的な抵抗です。
自由記述では、産後ケアを頼むことを「ぜいたくではないか」と感じる傾向も確認されています。
しかし、産後ケアによって支えるのはママ一人だけではありません。
ママが休める。赤ちゃんのお世話を手伝ってもらえる。上の子の生活を保てる。家族の食事を用意できる。パパの負担も軽くなる。
そう考えると、産後ケアは単なる「ママへのご褒美」ではなく、出産直後の家族の生活を安定させるための支援として考えることができます。
研究レポートでも、「自分へのご褒美」から「家族のための投資」へ価値の捉え方を変えていく必要性が提案されています。

9 第2子以降こそ、妊娠中に「家族全体の産後」を考えてください
第2子、第3子の出産経験があるからといって、産後が楽になるとは限りません。
赤ちゃんのお世話には慣れていても、今度は上の子がいます。
出産前に考えておきたいのは、「赤ちゃんを誰が見るか」だけではありません。
上の子の送迎は誰がするのか。食事はどうするのか。ママが昼間眠る時間をどうつくるのか。パパが仕事へ戻ったあとはどうするのか。
ここまで考えて初めて、「産後の生活設計」になります。
産後ヘルパー株式会社では、ご自宅に産後ヘルパーが訪問し、産後ママへのケア、赤ちゃんのお世話、食事づくりや家事、ご家族へのサポートを行っています。現在のサービスでは、ママの身体の回復を重視しながら、赤ちゃんケア、食事、家族の生活まで自宅で支援しています。
「第2子を出産予定だけれど、上の子をどうしたらいい?」
「夫は育休を取る予定だけれど、それだけで足りる?」
「里帰りをしない場合、何日くらいお願いしたらいい?」
このような段階からでも、妊娠中に産後の生活を具体的に考えておくことをおすすめします。
10 今回の研究結果を見る際の注意点
今回の調査は、産後ヘルパー株式会社を実際に利用した人を対象としたアンケートで、日本のすべての産後家庭を代表するものではありません。
また、第3子以上は36件、多胎出産は10件と対象数が少ない項目があります。調査で確認されたのは「利用者属性と満足度との関連」であり、自宅訪問型産後ケアによって健康状態が改善することや、特定の結果が生じるという因果関係を証明したものではありません。
そのため、本記事では研究結果をサービスの医学的効果として扱わず、産後の支援方法を考えるための一つの実務的な手がかりとして紹介しています。
11 まとめ|産後に守りたいのは、ママと赤ちゃんだけでなく「家族の生活」です
産後総研による1,284件の分析では、自宅訪問型産後ケアに「大満足」と回答した割合は、第1子66%、第2子81%、第3子以上83%となり、子どもの人数との間に統計的な関連が確認されました。
その背景として考えられるのが、上の子の通園・通学や食事など、これまでの暮らしを大きく変えずに支援を受けられる「生活の継続性」**です。
産後に大切なのは、ママだけが頑張って新しい生活に合わせることではありません。
赤ちゃん、上の子、パパ、そしてママ。
家族全員の生活をできるだけ無理なく続けられる環境をつくることも、産後準備の一つです。
産後ケアを「困ってから頼むもの」ではなく、家族が安心して新しい生活を始めるために、妊娠中から準備する支援として考えてみてください。
詳しい研究方法・統計分析については、産後総研の研究レポートをご覧いただけます。
【産後総研【研究レポート Vol.6】自宅訪問型産後ケアの満足度が第1子家庭よりも第2子家庭の方が高い理由は?】
12 よくある質問
Q1.第2子の出産でも産後ケアを利用したほうがよいですか?
第2子では赤ちゃんのお世話に加え、上の子の食事、送迎、遊び相手などが必要になります。今回の調査では「大満足」が第1子66%に対して第2子81%でした。すべての家庭に必要という意味ではありませんが、上の子を含めた産後の生活を考える際、自宅訪問型産後ケアは選択肢の一つになります。
Q2.産後ケアを利用している間、上の子もお願いできますか?
産後ヘルパー株式会社では、産後ママと赤ちゃんだけでなく、ご家族へのサポートもサービスに含まれています。具体的にお願いできる内容については、事前にサービス内容を確認してください。
Q3.夫が育休を取る場合でも産後ヘルパーは必要ですか?
夫の育休と産後ヘルパーは役割が異なります。今回の研究でも、夫のサポート度による「大満足」の有意な差は確認されませんでした。家族による支援と外部の経験ある支援者を組み合わせる方法もあります。
Q4.宿泊型産後ケアと自宅訪問型ではどちらがよいですか?
どちらが一律に優れているとは言えません。しっかり施設で休みたい場合には宿泊型が合うことがあります。一方、上の子の通園・通学や家族の生活をできるだけ変えたくない家庭では、自宅訪問型が利用しやすい場合があります。
Q5.いつ頃から産後ケアを検討すればよいですか?
妊娠中から検討することをおすすめします。特に第2子以降では、出産後のママと赤ちゃんだけでなく、上の子の送迎や食事、パパの仕事復帰後の生活まで含めて考えておくと、必要な支援を整理しやすくなります。
執筆:産後ヘルパー株式会社 取締役、中小企業診断士 高久 広

中小企業診断士 高久 広