産後、なぜか涙が出る・眠れない…そんなとき一人で頑張らないために
もくじ
要約
赤ちゃんが生まれたあと、「なぜか涙が出る」「眠りたいのに眠れない」「イライラしてしまう」と感じるママはいます。
産後は、出産の疲れが残るなかで、授乳や赤ちゃんのお世話が始まります。十分に眠れず、誰かと話す時間も減りがちです。
産後総研が訪問型産後ケアの利用者アンケート1,285件を分析したところ、休めたこと、話を聞いてもらえたこと、育児の不安を相談できたことなどが高く評価されていました。
大切なのは、つらいときに一人で頑張り続けないことです。

1 この記事でわかること
- 産後に心や体がつらくなりやすい理由
- 産後ケアを利用したママが「助かった」と感じたこと
- 妊娠中から準備しておきたい「休める環境」のつくり方
2 赤ちゃんはかわいい。それでも、つらくなることがあります
出産前は、
「赤ちゃんが生まれたら、きっと幸せいっぱいだろうな」
と思っていた方も多いかもしれません。
もちろん、赤ちゃんはかわいい。
でも実際の産後は、それだけではありません。
夜中に何度も起きて授乳する。
ようやく寝たと思ったら赤ちゃんが泣く。
食事をゆっくり食べる時間もない。
シャワーさえ、好きな時間に浴びられない。
そんな生活が毎日続くことがあります。
すると、
「どうして涙が出るんだろう」
「ちょっとしたことでイライラする」
「疲れているのに眠れない」
「ちゃんと育児ができているのかな」
と感じることもあります。
ここで大切なのは、「母親なのだから頑張らなければ」と、一人で抱え込まないことです。
産後は、心も体も大きく変化する時期です。
助けてもらっていい時期なのです。
3 産後ケアを利用したママ1,285件を調べました
産後総合研究所(産後総研)では、産後ヘルパー株式会社が2014年から2026年までに集めた、訪問型産後ケア利用者のアンケート1,285件を分析しました。 産後総研_Vol1_No3_WordPress公開原稿
その中で調べたのが、
「産後に心がつらくなるような症状と、産後ケアの利用にはどのような関係があるのか」
ということです。
ここでいう症状とは、「産後うつと診断された」という意味ではありません。
利用したママがアンケートの中で答えた、涙が出る、イライラする、眠れないなどの自己申告による症状です。
そのため、今回の調査だけで「産後ケアを使えば産後うつを防げる」とは言えません。
ただ、利用したママが何を助かったと感じていたのかは見えてきました。
4 ママたちが特に助かったのは「休めたこと」でした
産後に心のつらさに関係する症状があったとして分析された112人を見ると、特に多かった評価があります。
それは、休息と睡眠です。
112人全員が、身体を休めたり眠ったりできたことについて肯定的に答えていました。
また、
- 話を聞いてもらうなどの精神的なサポート:106人
- 育児への不安を減らしたり、育児を教えてもらったりしたこと:91人
- 一人になりすぎないための支援:91人
も多く挙げられました。 産後総研_Vol1_No3_WordPress公開原稿
難しく考える必要はありません。
つまり、ママたちが助かったと感じていたのは、
「少し眠れた」
「誰かに話せた」
「赤ちゃんのお世話を教えてもらえた」
「一人ではなかった」
という、とても身近なことなのです。

5 「眠るだけ」でいいの?――産後は、その「だけ」が難しいのです
「産後ケアをお願いして、寝ているだけでいいのかな?」
そう思うママもいるかもしれません。
でも、産後の生活を想像してみてください。
赤ちゃんが泣けば授乳します。
オムツを替えます。
抱っこします。
寝かしつけます。
その間にも洗濯物はたまり、食事の時間はやってきます。
ようやく赤ちゃんが眠っても、
「今のうちに洗濯しなくちゃ」
「夕食をつくらなくちゃ」
と思えば、ママは休めません。
だからこそ、誰かが赤ちゃんのお世話や家事を引き受けて、
「今は寝ていて大丈夫ですよ」
と言ってくれる時間そのものに意味があります。
産後ヘルパー株式会社の訪問型産後ケアでは、ママのケアだけでなく、赤ちゃんのお世話、食事、洗濯・掃除、上のお子さんのお世話なども行っています。産後ヘルパー株式会社
ママを休ませるためには、ママだけを見るのではなく、その間の暮らしを誰かが支えることも大切なのです。
6 話を聞いてもらうことも、産後ケアの一つです
産後は、大人とゆっくり話す時間がとても少なくなることがあります。
朝から晩まで赤ちゃんと二人。
パパが帰ってきても、疲れている。
自分も疲れている。
「今日こんなことがあった」
「授乳がうまくいかない」
「なんだか不安」
そんな話をする余裕さえなくなることがあります。
今回の調査では、症状があった112人のうち106人、**約95%**が、ヘルパーによる精神的なサポートを肯定的に評価していました。 産後総研_Vol1_No3_WordPress公開原稿
特別なカウンセリングだけが「心の支援」ではありません。
「昨日、全然眠れなかったんです」
「母乳が足りない気がして心配で……」
そんな何気ない話を、誰かに聞いてもらう。
それだけでも、ママにとっては大切な時間になることがあります。

7 長く、何度か利用した人ほど症状が少ない傾向もありました
今回の研究では、利用期間や利用回数を確認できた46人についても分析しています。
利用期間別に見ると、産後うつに関連する症状があった割合は、
- 1~3日利用:50.0%
- 4~7日利用:33.3%
- 8~14日利用:25.0%
- 15日以上利用:14.3%
でした。
また利用頻度別では、
- 週1回以下:42.9%
- 週2~3回:27.8%
- 週4回以上・ほぼ毎日:7.1%
でした。 産後総研_Vol1_No3_WordPress公開原稿
数字だけを見ると、長く、頻繁に利用した人ほど症状が少なくなっています。
ただし、ここはとても大切な点です。
「たくさん産後ケアを利用したから症状が減った」と証明されたわけではありません。
対象は46人と少なく、家族の助けがあったか、もともとの体調はどうだったかなど、ほかの条件もそろっていません。
そのため、
「こういう傾向が見られた」
というところまでが、今回の研究から言えることです。
8 では、出産前に何を準備しておけばいいのでしょうか?

赤ちゃん用品を準備することも大切です。
でも同じくらい考えておいてほしいのが、
「ママはどうやって休むのか」
です。
たとえば、妊娠中に夫婦でこんなことを話してみてください。
「夜中の授乳のあと、パパに何をお願いできる?」
「食事は誰がつくる?」
「洗濯や掃除はどうする?」
「パパが仕事に戻ったあとは?」
「つらいとき、誰に相談する?」
そして、
「夫婦だけでは大変そうなら、誰に手伝ってもらう?」
まで決めておくと安心です。
両親やきょうだいに頼る方法もあります。
自治体の産後ケアを調べておく方法もあります。
そして、訪問型の産後ケアを利用する方法もあります。
大切なのは、どれか一つだけで頑張ろうとしないことです。
9 パパにできることは「手伝う」だけではありません
産後のママにとって、パパの存在は大切です。
料理や洗濯、オムツ交換をすることももちろん助けになります。
でも、もう一つお願いしたいことがあります。
それは、
「ちゃんと休めてる?」
と聞くことです。
「赤ちゃんは大丈夫?」だけではなく、
「あなたは大丈夫?」
とママ自身にも目を向けてください。
そして、ママが
「しんどい」
「眠れない」
「理由は分からないけど涙が出る」
と話したときは、
「みんなそうだよ」
「考えすぎじゃない?」
と片づけず、まず話を聞くことが大切です。
夫婦だけで難しいときは、外の人に頼ってかまいません。
10 心のつらさが強いときは、産後ケアだけで抱えないでください
訪問型産後ケアは、休息や家事・育児の負担を減らしたり、話し相手になったりする支援です。
一方で、医療ではありません。
気分の落ち込みや強い不安が続く、眠れない状態が続く、日常生活を送ることが難しいなど、心や体の状態が心配なときは、医療機関や助産師、保健師などへ相談してください。
今回の研究も、産後ケアに産後うつの治療効果や予防効果があることを証明したものではありません。 産後総研_Vol1_No3_WordPress公開原稿
「産後ケアか、医療か」の二者択一ではなく、必要に応じてそれぞれの力を借りることが大切です。

11 まとめ|産後は「頑張る準備」より「休める準備」を
赤ちゃんが生まれる前は、
ベビーベッドを用意する。
肌着を買う。
オムツを準備する。
そんな「赤ちゃんの準備」に目が向きます。
でも、ぜひもう一つ、
「ママが休むための準備」
も加えてください。
今回の1,285件の利用者アンケートからは、訪問型産後ケアを利用したママが、休息や睡眠、話を聞いてもらうこと、育児の不安への支援などを評価していたことが分かりました。 産後総研_Vol1_No3_WordPress公開原稿
産後は、一人で頑張れるかどうかを試す期間ではありません。
赤ちゃんのお世話を誰かにお願いする。
家事を誰かにお願いする。
眠る。
話を聞いてもらう。
それも、赤ちゃんとの新しい生活を始めるための大切な準備です。

12 よくある質問
Q1.産後に涙が出たり、イライラしたりするのはおかしいのでしょうか?
産後には心身の変化や睡眠不足などが重なり、気持ちが不安定になることがあります。ただし、症状が強い、長く続く、生活に支障がある場合などは、一人で判断せず医療機関、助産師、保健師などに相談してください。
Q2.産後ケアを利用すれば産後うつを予防できますか?
今回の研究から、産後うつを予防できるとは言えません。長く・頻繁に利用した人ほど関連症状が少ない傾向はありましたが、人数が少なく、ほかの条件も異なるため、原因と結果までは確認できていません。
Q3.産後ヘルパーをお願いしている間、ママは寝ていてもいいですか?
休息の時間として利用することも選択肢です。産後ヘルパー株式会社では、赤ちゃんのお世話や食事、家事なども支援しているため、ママが休むための時間をつくることができます。産後ヘルパー株式会社
Q4.夫が育休を取る予定でも、産後ケアは必要ですか?
必ず必要というものではありません。ただ、パパも初めての育児で疲れることがあります。夫婦で家事・育児を行いながら、必要な部分だけ家族や自治体、訪問型産後ケアなど外部の支援を組み合わせる方法があります。
Q5.産後ケアは何日くらい利用すればいいですか?
今回の研究から「何日利用すればよい」と決めることはできません。ママの体調、パパの育休、家族の支援、上のお子さんの有無などによって必要な支援は異なります。出産前からご家庭に合った方法を考えておくと安心です。
13 産後ヘルパー株式会社の訪問型産後ケア
産後ヘルパー株式会社では、ご自宅に産後ヘルパーが訪問し、ママのケア、赤ちゃんのお世話、食事づくり、洗濯・掃除など、ご家庭の産後生活をサポートしています。産後ヘルパー株式会社
「里帰りをしないので少し不安」
「夫が仕事に戻ったあとの生活が心配」
「産後は、とにかく少しでも眠れる時間をつくりたい」
そんな方は、妊娠中から産後の過ごし方を考えてみてください。
【内部リンク:産後ケアサービスについて詳しく見る】
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14 研究の詳しい内容を知りたい方へ
この記事は、産後総合研究所(産後総研)の研究レポートを、妊娠中・産後のご家庭向けに、できるだけやさしい言葉で紹介したものです。
研究では、2014~2026年の訪問型産後ケア利用者アンケート1,285件をもとに、産後うつに関連する自己申告症状と、サービスの利用状況・利用後評価との関係を分析しています。調査方法や詳しい数字、研究上の限界については、元の研究レポートをご覧ください。 産後総研_Vol1_No3_WordPress公開原稿
産後総研 研究レポート
「産後ケア利用と産後うつ関連症状との関連性:訪問型産後ケア利用者アンケートに基づく分析」
執筆:産後ヘルパー株式会社 取締役、中小企業診断士 高久 広
