夫が育休を取っても産後ケアは必要?1,284人の調査で分かったこと
もくじ
1 要約
結論からいうと、夫が育休を取り、家事や育児に参加していても、産後ケアが不要になるとは限りません。産後ヘルパー利用者1,284人の調査では、夫の育児貢献が高い家庭にも、涙、不眠、イライラ、不安などの「産後うつ状態」が一定割合みられました。大切なのは、夫か産後ケアかを選ぶことではなく、家族の支援と第三者の支援を組み合わせ、夫婦だけで抱え込まないことです。妊娠中から支援先を準備しておきましょう。
2 この記事の結論
- 夫の育休や育児参加は大切ですが、それだけで産後の心身の負担をすべて解消できるとは限りません。
- 夫は「家族としての支え」、産後ヘルパーは「休息・家事・育児・相談を補う第三者」として、違う役割を担えます。
- 産後ケアは、困ってから探すより、妊娠中に利用条件や相談先を確認しておく方が安心です。

3 「夫が育休を取れば大丈夫」と思っていませんか?
赤ちゃんが生まれた後、夫が育休を取り、おむつ替え、抱っこ、食事、洗濯などを担当することは、産後のママにとって大きな助けです。
それでも、こんな気持ちになることがあります。
「夫も頑張っているから、これ以上頼みにくい」
「私だけつらいと言ったら、夫を責めているようで言えない」
「二人とも寝不足で、落ち着いて話す余裕がない」
出産後の体は回復途中です。その一方で、授乳やミルク、おむつ替え、寝かしつけは昼夜を問わず続きます。料理や洗濯も待ってくれません。夫婦二人で力を合わせても、仕事の総量が二人の体力を上回ることがあります。
産後がつらいのは、夫の努力不足でも、ママが弱いからでもありません。夫婦だけで担当するには、やることが多すぎる時期なのです。

4 産後ヘルパー利用者1,284人の調査で分かったこと
産後総研は、産後ヘルパー株式会社が2014年から2025年までに集めた利用者アンケート1,284件を分析しました。夫の育児への貢献度や育休の有無と、次の二つの関係を調べています。
- 涙、不眠、イライラ、不安、食欲低下などの「産後うつ状態」があったか
- 産後ケアに「大満足」または「満足」と答えたか
ここでいう「産後うつ状態」は、医師が診断した産後うつ病ではありません。アンケートに記載された症状をもとに、研究上分類したものです。
・夫の育児貢献が高い家庭にも不調はあった
夫の育児貢献度が高い層で、産後うつ状態が「あり」とされた割合は36.8%でした。貢献度が低い層では31.8%でした。
この結果だけを見て、「夫が育児をすると不調が増える」と考えることはできません。今回の調査は原因と結果を証明するものではないからです。もともとママの負担が大きい家庭ほど夫が多く手伝っていた、家族構成や仕事、体調など別の事情が影響した、といった可能性があります。
ここから読み取れるのは、夫がよく手伝っているという一つの条件だけでは、産後の女性の心身の状態を説明できない、ということです。
・育休の有無だけでも不調を説明できなかった
夫の育休がある層では、産後うつ状態が「あり」とされた割合は37.0%、育休がない層では34.9%でした。
育休は大切な制度です。ただし、取得しただけですべてが解決するわけではありません。取得期間、夜間の分担、ママが続けて眠れる時間、相談相手の有無など、実際の生活の組み立ても重要だと考えられます。
・夫の貢献度にかかわらず、産後ケアの満足度は95%以上
産後ケアに「大満足」または「満足」と答えた割合は、夫の育児貢献度が高い層で98.2%、低い層で95.8%でした。
つまり、夫の支援が多い家庭でも少ない家庭でも、産後ケアを高く評価した利用者が多くいました。ただし、この満足度だけで「産後ケアが産後うつ病を予防した」とは言えません。満足度と医療的な効果は分けて考える必要があります。
調査方法、集計表、考察を確認したい方は、産後総研の研究レポートVol.4「育休があっても不安は消えない、産後ケアが果たす“別の役割”」をご覧ください。
5 夫と産後ケアは、競争ではなく役割分担
夫やパートナーにしかできない支えがあります。赤ちゃんの成長を一緒に喜ぶこと、家族として暮らしをつくること、ママの気持ちに寄り添うことです。
一方、家族ではない支援者だからこそ担いやすいこともあります。
- 家族に遠慮せず、疲れや不安を話す
- 家事や赤ちゃんのお世話を任せ、ママが休む
- 経験に基づく育児のヒントを聞く
- 夫婦のどちらかに負担が集中しないよう、作業を分ける
たとえば、夫が赤ちゃんを抱っこしている間に、産後ヘルパーが食事を作り、ママが眠る。ママがヘルパーに不安を話している間に、夫が沐浴の準備をする。このように三人で役割を分けると、ママだけでなく夫の負担も軽くできます。
外部支援を利用することは、夫婦の力不足ではありません。家族を守るために、頼れる人を増やす方法です。

6 訪問型産後ケアなら、自宅の暮らしを止めずに頼れる
産後ヘルパー株式会社は、産後ママの心と体のケア、新生児のお世話、食事づくり、掃除や洗濯などを自宅で支える訪問型産後ケアを提供しています。
支援者が自宅を訪れるため、赤ちゃんを連れて移動する必要がありません。いつもの生活環境で、「休む」「相談する」「家事や育児を任せる」を組み合わせられるのが特徴です。夫が育休中なら、ヘルパーにすべてを任せるのではなく、家族に合う分担を一緒に整えることもできます。
具体的なケア内容は、産後ヘルパー株式会社のサービス紹介で確認できます。利用時間、対応地域、料金は、ご利用料金・ご利用の流れをご覧ください。
7 妊娠中に決めておきたい4つのこと
産後は、比較したり申し込んだりする気力が残っていないこともあります。妊娠中に、次の四つを夫婦で話し合っておきましょう。
- 夜間や休日に相談できる医療機関・自治体の窓口
- 食事、洗濯、掃除を誰が担当するか
- ママが続けて休める時間をどう確保するか
- 家族以外に不安や弱音を話せる相手を誰にするか
自治体の産後ケア、助産師・保健師、医療機関、親族、民間の訪問型産後ケアなど、複数の選択肢を組み合わせるのが現実的です。「困ったら考える」ではなく、連絡先、利用条件、料金だけでも先に確認しておくと、必要なときに動きやすくなります。

8 まとめ|夫婦だけで頑張らないことも、産後の準備です
夫の育休や育児参加は、とても大切です。しかし、それだけで出産後の身体の負担、睡眠不足、不安、孤立感がすべて消えるとは限りません。
家族だからこそできる支援と、第三者だからこそできる支援は、どちらか一方を選ぶものではありません。両方を組み合わせることで、ママにも夫にも余裕が生まれます。
産後ヘルパー株式会社では、妊娠中から訪問型産後ケアの相談を受け付けています。「夫が育休を取るが、二人だけで回せるか不安」「里帰りをしない」「食事や家事も含めて頼みたい」と感じている方は、まずサービス内容と利用条件をご確認ください。産後ヘルパーの利用予約・相談はこちらです。
なお、気分の落ち込み、眠れない状態、強い不安、食欲低下などが続く場合や、自分や赤ちゃんの安全に不安がある場合は、産後ケアサービスだけで解決しようとせず、速やかに医療機関や自治体の相談窓口へ相談してください。
9 よくある質問
Q1. 夫が育休を取る予定でも、産後ケアは必要ですか?
必要になる家庭はあります。育休中でも夫婦の睡眠不足や家事負担は重なるため、外部支援を選択肢に入れておくと安心です。必ず利用すると決めなくても、妊娠中に相談先、対応地域、料金を確認しておくと、産後に判断しやすくなります。
Q2. 夫の育児参加が多いと、産後うつ状態が増えるのですか?
そのようには言えません。今回の調査は原因と結果を証明するものではなく、母親の体調、家族構成、仕事など別の要因が影響した可能性があります。「夫の支援が多ければ不調は必ずなくなる」とは限らない、と読むのが適切です。
Q3. 産後うつ状態と、産後うつ病の診断は同じですか?
同じではありません。本調査の「産後うつ状態」は、涙、不眠、イライラ、不安など、アンケートに記載された症状をもとにした分類です。医師による診断ではありません。症状が続く場合は医療機関へ相談してください。
Q4. 訪問型産後ケアでは、何を頼めますか?
産後ヘルパー株式会社では、産後ママの心身のケア、授乳の手伝い、オムツ交換や沐浴などの赤ちゃんケア、食事づくり、掃除、洗濯などを自宅で支援します。提供内容や条件は、サービス紹介ページでご確認ください。
Q5. いつ相談・予約するのがよいですか?
妊娠中の相談がおすすめです。出産予定日、家族の支援状況、希望する期間を早めに整理すると、利用方法を選びやすくなります。出産後や急な相談についても、対応可否を予約窓口で確認できます。
10 記事のもとになった研究レポート
産後総合研究所(産後総研)は、産後ヘルパー株式会社が蓄積してきた利用者アンケートや産後ケアの現場データをもとに、産後の母親が抱える不安や、家族の育児参加、産後ケアの役割などを調査・分析している研究機関です。研究成果を広く発信し、産後ケアサービスの向上と、安心して出産・子育てができる社会づくりに役立てることを目指しています。
この記事は、産後ヘルパー利用者1,284人の回答を分析した、産後総研の研究レポートVol.4を、妊娠中・産後のご夫婦にも分かりやすい内容に再編集したものです。
詳しい調査方法、分析結果、研究上の考察については、以下の研究レポートをご覧ください。
▶ 【研究レポート Vol.4】育休があっても不安は消えない、産後ケアが果たす“別の役割”―夫の育児参加と産後ケアとの非競合的役割に関する検討(2026年、関戸雅之・高久広・明素延)